THE QUIZ SHOW
2008年10月30日更新
ザ・クイズ・ショウ
この夏『33分探偵』と並行して土曜日に一部地方のみ放送されていた『ザ・クイズ・ショウ』がDVD化されたのを、女房が購入しました。
ネットでの配信を見て女房がハマッていたので、早速視聴。
〜ここからはネタバレ含みますので、ご注意ください。〜
いやぁ。しんどいけど実に見ごたえのあるドラマでした。
特に最終回の片桐仁演じるMC田崎と戸次重幸演じる山之辺プロデューサーの丁々発止のバトルは、まさに迫真の手に汗を握る展開でした。
この回だけで見たかいがありました
すごく、重たいテーマを突きつけられて、精神的にやられた人も随分と多かった様です。
山之辺健吾を演じた戸次さん。
全く同時期に『33分探偵』で演じていた、弾けっぱなしの茂木刑事とは大違いの、ニヒルで恐ろしいほどやり手のプロデューサー役を見事に演じきっています。
時々、彼の素の部分とリンクする姿が垣間見えるのが、ちょっと可愛らしく感じますが・・・。
今まで、チーム・ナックスの舞台や彼らの出演した映画、ドラマの演技は大抵見ていますが、ナックスの他のメンバーに比べると、戸次さんの場合、強力な個性には欠けるせいか、(言い方を変えれば他の連中のアクが強すぎるって事ですが・・・)、案外違った役を演じても一本調子な印象が強く、いままで彼の演技力について、僕の評価は決して高くありませんでした。
バラエティ番組ではとんでもない残念パワーを発揮して、メンバー1熱く(ウザく!?)、そのポジティブな行動力でしばしば他のメンバーを苦しめる、そんな彼なのにそれが不思議でなりませんでした。
ところが、今回まるで正反対の二役を見事に演じてくれたおかげで、改めて彼の実力を見直す結果になりました。
ほとんど素のまま、バラエティではっちゃけている戸次重幸そのものの感じの『33分探偵』の茂木刑事。
ひとりの屈曲した精神の持ち主を演じてみせた『ザ・クイズ・ショウ』の山之辺健吾プロデューサー。
(ただ、こっちも屈曲している部分は、どこかやっぱりシゲちゃんだなぁ・・・)
特に、ほとんどセリフをかませず、表情と眼だけで、山之辺健吾の心理描写、その変化を演じたのは流石!
(映画『River』では、挫折したスキー選手役を好演していましたが、ここでは他の連中の演技に彼の熱演は埋没してしまい、ちょっぴり残念な結果になっていました。)
エピソード6の冒頭でスッポンポンで出て来た時、子残念さん達は、妄想の嵐、大騒ぎだった様です。
(過去には『おにぎりあたためますか』で真正面からスッポンポンなんてのもありましたが・・・)
これら二作品の撮りをしていて、その最中にCDJで『KILLER-Z』なんかやっていたんだから、役者って大変ですねぇ。
対するMC田崎役の片桐仁さん。
映画『UDON』くらいしか見てはいませんが、彼の演じたMC田崎も、精神を病み、記憶喪失になってしまった男を見事に演じていました。
彼の存在が無ければ、この作品は出来ていなかったろうと言うのもうなずけます。
最終回で、記憶を取り戻した際の、眼の表情の変化なんて良かったですね。
好きな役者さんの一人になりました。
次は『33分探偵』の情報屋になって、実在の話題の人物をゲストに招いて、言い難いアドバイスをびしびししてもらいたいなんて、思うのは僕だけかな?
そういえば、『33分探偵』も、『ザ・クイズ・ショウ』も製作が同じアット・ムービーと言う事で、脇を固める役者さんが同じ顔ぶれなのも、楽しめました。
『33分探偵』では最終回で殺される社長が、『ザ・クイズ・ショウ』ではニートの父親の貿易会社社長でしたし、同じく『33分探偵』最終回のトランペッター役の岡田義徳さんが、『ザ・クイズ・ショウ』ではニートの役でした。
山之辺プロデューサーの姉、山之辺美雪役は『33分探偵』で子供を誘拐された母親でした。
また、『33分探偵』でよからぬ研究に没頭している鑑識係の佐藤二朗。
『ザ・クイズ・ショウ』ではスマイリー北島というインチキ占い師として登場します。
『33分探偵』では大田原警部の見合い相手となる堀内敬子。『ザ・クイズ・ショウ』では山之辺の元恋人役で登場していました。
彼女、劇団四季にいたので、『キャッツ』のシラバブ役や、『美女と野獣』のベル役、『ウェストサイドストーリー』のマリア役など、何度か舞台を見た事がありますが、当時と比べると、女優としてより魅力的になった様な気がします。
とにかく、このドラマ、見ごたえがあって、存分に楽しめました。
小さな作り込みも多くて、村瀬龍一郎の逮捕を報じる新聞もちゃんと記事を作ってあるし、その下には案内人のわんわん探偵社の小さな広告がある。
『ザ・クイズ・ショウ』で夢をかなえた漫画家の作品が、その後、銀河テレビのキャラクターや、コミック誌を飾っているし、スマイリー北川の逮捕劇なんてのもある。
繰り返し見ないと解らない様なコネタも満載で楽しめました。
DVD特典を見て解ったのですが、ゲストを7人としたのは聖書の7つの大罪をテーマにしていたから、と言うのには気付きませんでした。
新感覚のドラマとして充分楽しめました。
戸次ファンには最終回は、余りに残酷な物語でやり切れなかったのかも知れません。
でも彼、本当に素晴らしい演技をしています。
見直しましたね。
正直なところ・・・
良い仕事していますよ。
でも、やっぱり戸次さんは健在です。
特典DVDの『ガンダム・クイズ・ショウ』。
片桐さんに知識で勝っていながら、勝負に負けている!!
完全に・・・・・・・
こりゃ、自滅・・・
やっぱり『残念』だぁ!